これは、アタシが二十歳になるかならないかの頃かなぁ・・・
夜の10時ぐらいに仲間でもって集まってたんですよ。やる事もなしに。
まぁ、まだみんな学生でしたからね、時間だけはあるんですよ。
で、そのうちの一人が車で来てたもんですから、これから筑波山に行こうよ!で、山頂まで登ろうよ!って事になった!
筑波山に行った事のある人なら解るけど山の八号目までは車でいけるんですよ。で、そこからロープウェイか歩いて頂上まで行くんですが、当然夜だしロープウェイはやってない。
アタシはちょっとヤダなぁ~って思ったんですが、みんなに押し切られるように連れてかれたんですよ、えぇ。
でもって、車を飛ばして八合目についたのは夜中の12時だ!
車を止めて登り始めましたよ。季節は冬の正月が明けて数日がたった頃で、空気が澄んでて月明かりが調度良い感じで足元を照らしてくれました。
山頂に祠があるから初詣をしようなんてね、そんな事を喋りながら歩きましたよ。
二時間近く歩いて山頂が近づいてくると、驚いた事に雪が降ってるんですよ!
茨城のそんな標高も高くない山でも山頂は雪がふるんだなぁ・・なんて妙に感心した物です。
で、いよいよ山頂に近づいた!
7~8メートルの高さの岩を巻くように石の階段があって、それを登れば頂上なんだが、登る前に上を見上げたんです。
そしたらその頂上に手すりがあって、そこに人がいたんです。手すりに手をかけて!
時計は夜中の二時を指してましたね。
アタシは、
あぁ、こんな時間に登る人が他にもいるんだ!
なんて思ったら妙にうれしくなってね、仲間にも知らせたんですよ!上に人がいるよって!
あぁホントだ!ってな事でみんなで走って階段を登って山頂にいったら誰もいない・・・
みんな凍りつきましたよ!
確かに見たんだぁ!人影を!
しかし、よく考えてみれば夜中で誰もいない山頂に一人でいて、下から柄の悪い若者数名が上がってくれば怖くなって何処かに身を潜めるかもしれないなぁ
って誰かが言いました。
確かにそうだなぁ!じゃあ
ここは悪いから自分たちが先に下山しょうって事で山をくだりました。
でもね
山頂には雪が積もってたんですよ。
で、アタシたちが登ってきた以外の足跡はついてなかったんですよ!